マルチツール

ビーパルと言うアウトドアー雑誌がある。
創刊から3年ぐらいはほぼ毎号買った覚えがあるが、最近はあまり買うことが無くなった。スーパーで本屋に立ち寄ると創刊30年記念でおまけが付いていたので、おまけに釣られ買ってかえる。
 
おまけにしては、立派なマルチツールが付いてきた。
ビクトリノックスなど我が家にもいくつか有るが、このレザーマンタイプも含めて日本ではこの手の物は古くから10徳ナイフなどとと呼ばれたが、時代なのだろうこのおまけにはナイフが付いていない。
欧米では幼児から少年になるころ誕生日には、ナイフをプレゼントする習慣があると聞く。刃物を持つ事で危険を学び、危険な物の扱いを学ぶ、
そんな文化があると聞く。今日本では危険な物をすぐ排除し子供から遠ざけようとする、そんな中で育った人が原発の安全管理を設計したのではないだろうか。
地震はこの程度、津波もこの程度、これ以上はないだろう予算もないし。
などと、たかをくくった考えで事を進めてこの有様になったのではないだろうか。普通そこから先を危険と言うのではなかろうか。彼らは危険なことにあったこともなく、危険の意味が分かってなかったのではなかろうか。
これからは危険を扱い安全を確保する立場になる人には、机の上だけではなく肌身を持って危険に接して考えるようにしてほしい。
熱いかも知れないものに触る時、手のひらではなく、びっくりして握ってしまわないため手の甲から近づけるなどと言うことは、机の上で勉強しても現場では出ないかもしれない。そんな小さなことから始めてもよいのでは。

法隆寺の宮大工棟梁だった西岡常一氏がビクトリノックスを見て「下手な大工の集まりで出来ないことはないが、よい物は出来ない」と言っていたが、常時使うものではないが1つ手元にあると少しは役立つかもしれない。