天体双眼鏡

星を見るための双眼鏡を1年がかりで作る。
 
鳥を見たりする普通の双眼鏡と違うのは、高い空を見るのに楽なように接眼部を90度曲げてあること。
AとBの部分を作る。
Aの部分で2本の口径12cmf5の天体望遠鏡を連結し、架台の上に置くだけで使えるようにした。
3脚の付ける、水平垂直共にスムーズに動くようベアリングを使った架台も作った。
普通天体望遠鏡は逆さまに見えるが、Bの部分は中に2枚の鏡があり正常に見える。
またこの部分で光軸をオフセットすることで、目の幅以上の口径の望遠鏡を使うことが出来る。
普通の双眼鏡は、像を正常に見せるためと目幅を合わすためにプリズムが内蔵され4回光を曲げているが、Bに使った物は2回の反射でそれをこなしている優れものである。
これは鳥取松本龍郎さんが考案し製品化もされているが、私の小遣いでは手も足も出ないので自作した。
以前作った天体望遠鏡では倍率を上げて見たくなるが、この双眼鏡では倍率を上げるより広範囲に沢山の星を見たくなる。
32mm接眼レンズをつけると19倍ぐらいで、鳥を見るとき使っている双眼鏡が18倍なので見比べてみると同じぐらいの範囲が見えるが、星の数は3倍ぐらい見える。
星雲星団が沢山あるいて座方向を見ると、簡単にいくつもすぐに見つかり望遠鏡と違う面白さがある。

収納ケースも作る。

今日は半月過ぎの月が出ているので星はあまり見えないが、月を見ると両目で見るからか片目で見る望遠鏡と違い楽に見えるし、立体感が感じられる。
このような双眼鏡を使っている方の多くが双眼望遠鏡と言っておられるようだが、
双眼鏡そのものが2つの鏡ではなく2つの望遠鏡と言うことのような気がするので双眼望遠鏡には違和感が感じられ、私は天体双眼鏡と言いたい。